「特別なことをしているわけじゃないのに、なぜか人に好かれる人」
あなたの周りにも、そんな人はいませんか。
一緒にいると、
・無理をしていない感じがする
・こちらが気を遣わなくて済む
・でも、なぜか安心できる
一方で、こんな悩みを抱えている方も少なくありません。
- 相手に気を遣っているのに、距離が縮まらない
- 頑張っているつもりなのに、なぜか壁を感じる
- 「ちゃんとしなきゃ」と思うほど、会話がぎこちなくなる
もしあなたがこう感じているなら、それは性格の問題でも、努力不足でもありません。
実は、人に好かれる人ほど、「好かれよう」としていないという共通点があります。
そこには、本人も無自覚なまま使っている心理的なスキルがあるのです。
この記事では、公認心理師の視点から、
人間関係を無理なく、少し楽にしてくれる3つの心理スキルを、具体例とともに解説します。
① 好かれる人は「よく顔を出している」|単純接触効果
1つ目の心理スキルは、単純接触効果です。
単純接触効果とは、
「人は、何度も接する相手に対して、無意識に親しみや安心感を抱く」
という心理現象です。
ここで、多くの人が勘違いしやすいポイントがあります。
- 話がうまくないといけない
- 気の利いたことを言わなければいけない
- 印象に残る存在にならないと意味がない
しかし、好かれている人ほど、こうしたことを意識していません。
彼らがしているのは、とてもシンプルです。
定期的に「そこにいる」こと。
売り込まなかったトップセールスマンの実話
営業の世界でよく知られている話があります。
あるコピー機メーカーに、契約数トップの営業マンがいました。
ところが彼は、初回の訪問でほとんど商品説明をしなかったそうです。
性能の話もしない。価格の話もしない。
「今日はご挨拶だけです」「近くまで来たので顔を出しました」
そう言って、2〜3分ほど雑談をして帰る。
これを、週に1回、月に数回、淡々と続けていました。
最初は顧客も、「また来たな」という反応だったそうです。
しかしある日、顧客の方からこう言われます。
「そろそろコピー機を入れ替えようと思うんだけど、あなたにお願いするよ」
理由はとてもシンプルでした。
「だって、よく知ってる人だから。なんとなく安心なんだよね」
この営業マンは、話術が特別だったわけでも、説得が上手だったわけでもありません。
ただ、“見える場所にい続けた”だけでした。
人は無意識のうちに、
よく見る人・よく会う人を「安全な存在」として認識します。
完璧な一言を言おうとして黙ってしまうより、
不完全でも「消えない存在」でいること。
それが、信頼を育てていくのです。
② 好かれる人は「相手に質問をしている」|フォローアップクエスチョン
2つ目の心理スキルは、フォローアップクエスチョンです。
これは、相手の話に対して
「もう一歩、踏み込んだ質問」を返すこと。
世界的に有名な営業心理学者ニール・ラッカムは、
35,000件以上の商談を分析し、ある結論にたどり着きました。
成果を出している人ほど、説明をしていなかった。
代わりに、質問をしていたのです。
たとえば、相手が「最近、仕事が忙しくて」と言ったとき。
会話が浅く終わってしまう例は、
「そうなんですね、大変ですね」で終わるパターンです。
一方、好かれる人はこう続けます。
- 「どんなところが一番大変なんですか?」
- 「それは、いつ頃から続いているんですか?」
- 「今、特に困っているのはどのあたりですか?」
すると相手は、「話を聞いてもらえている」と感じ、
自然と心を開いていきます。
人は、説明されたから動くのではありません。
「理解された」と感じたときに、初めて安心するのです。
大切なのは、うまい質問をすることではありません。
「もう少し知りたい」という姿勢そのものが、信頼になります。
③ 最も好かれやすい関わり方|感情のラベリング
3つ目の心理スキルは、感情のラベリングです。
これは、相手の気持ちを言葉にして返す関わり方です。
たとえば、相手が「最近、うまくいかなくて……」と言ったとき。
多くの人は、良かれと思ってアドバイスをしてしまいます。
しかし、好かれる人は違います。
「それ、悔しかったんですね」
「かなり不安だったんじゃないですか?」
こうして、感情に名前をつけて返します。
心理学の研究では、感情を言葉にすることで、
不安や恐怖を司る脳(扁桃体)が落ち着き、
理性を司る前頭前野が働きやすくなることが分かっています。
人は、解決されたい前に、理解されたい存在です。
正解の言葉よりも、
「わかろうとする姿勢」こそが、安心感を生みます。
まとめ|無理を手放したところに、好かれやすさがある
- ① 完璧じゃなくても、顔を出す
- ② 相手の世界に、質問で入っていく
- ③ 感情を、そっと言葉にする
どれも、自分を良く見せるためのテクニックではありません。
相手を大切にしようとする姿勢。
そして、自分を無理に変えない在り方。
もし人付き合いに疲れているなら、
今日紹介した中から、ひとつだけ試してみてください。
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