夜、布団に入った瞬間に心がざわざわして眠れない…。
「あの時うまく言えなかった」「明日失敗したらどうしよう」──そんなふうに、同じ考えが頭の中をぐるぐる回り続けることはありませんか?
心理学では、こうした思考を「反すう思考」と呼びます。考えれば考えるほど不安が膨らみ、心のエネルギーをどんどん奪っていきます。
この記事では、公認心理師としての経験から、考えすぎのループを抜け出すための3つの方法を紹介します。どれも簡単で、今日からすぐに始められるものばかりです。
1. ハードルを下げて「1分だけ行動」する
不安で頭がいっぱいになると、心も体も固まり、何もできなくなってしまいます。そんなときこそ、まずは1分だけ行動することが効果的です。
心理学では「行動が感情を変える」と言われています。気持ちが整うのを待つのではなく、小さな行動が不安をほぐしてくれるのです。
- メールが怖い → 件名だけ書く
- 片付けが苦手 → 机の上の1つだけ片づける
- 勉強が不安 → テキストを開くだけでOK
私は教員時代、受験勉強に不安を感じて手が止まってしまっていた生徒に、「まずは簡単な問題を1〜2問だけやってみよう」と伝えました。すると、その小さな成功体験がきっかけとなり、自然と勉強が進むようになりました。
不安で動けなくなったら、行動のハードルをぐっと下げる。この1分が、大きな前進につながります。
2. 安心フレーズで自分を支える
考えすぎているとき、心の中には「責める声」が響いています。
- 「また失敗するかも」
- 「きっとダメに決まってる」
- 「周りに迷惑をかけてしまう」
こうした思考は不安を増幅させます。そこで役立つのが、自分に安心できる言葉をかける「セルフ・コンパッション」です。
たとえば、次のようなフレーズが効果的です。
- 「大丈夫。今できることをすればいい」
- 「不安は誰にでもある」
- 「失敗しても、やり直せる」
- 「応援してくれる人は必ずいる」
プレゼンへの不安で眠れなくなっていたクライアントの方が、これらの言葉を毎日繰り返したところ、「不安はゼロじゃないけれど、動けるようになった」と話してくれました。
安心フレーズは不安を消す魔法ではありませんが、前に進む力を与えてくれるスイッチになります。
3. あえて「最悪シナリオ」を考える
不安を「考えないようにしよう」とすると、逆に強くなることがあります。そんなときは、あえて最悪シナリオと、その時の対処法を考えてみる方法が役立ちます。
たとえば──
- 会議で失敗したら? → 少し恥をかくだけ。命は取られない。
- 試験に落ちたら? → また受ければいい。他の道も探せる。
大学生のクライアントが「試験に落ちたら人生が終わる」と思い込んでいた例があります。しかし紙に書き出して整理すると、「意外と大丈夫」と気づき、勉強にも集中できるようになりました。
私自身も、がんの再検査で不安が大きくなったとき、この方法に救われました。最悪のシナリオと向き合い、専門家に相談し、対策を知ったことで、「なんとかなる」と思えたのです。
不安は直視すると力を失います。「思っていたより大丈夫」と気づけることが、心を軽くする第一歩です。
まとめ:考えすぎのループから抜け出す3つのステップ
- 行動のハードルを下げて「1分だけ」動く
- 安心フレーズで心を支える
- 最悪シナリオと対策を考える
不安は消そうとするほど大きくなるものですが、こうした小さな工夫を続けることで、少しずつ軽くしていくことができます。
あなたが今日から「考えすぎ」と優しく距離を取れるよう、心から応援しています。
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この記事の内容は、YouTube「公認心理師かぼチャンネル」でも詳しく解説しています。動画では、より深い心理学の知識や事例を交えてお話ししていますので、ぜひこちらもチェックしてみてください。
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