こんにちは、公認心理師のかぼです。
今日は「50代女性の不安と心が軽くなる習慣」についてお話しします。
この年代になると、ふとした瞬間に理由のわからない不安に襲われること、ありませんか?
冷蔵庫の前で「何取りに来たんだっけ…」と立ち尽くしたり、洗濯機が壊れただけで「年金だけで生きていけるのかな」と真剣に悩み始めてしまう…。
実は50代は、子育ての一区切り、親の介護、体調の変化など、人生の役割が大きく変わる時期です。
そんなときに感じる不安は、決してあなただけではありません。今回は、不安をやさしく和らげる習慣を4つご紹介します。
1. 不安の正体を知る:「未来への心配グセ」
不安の多くは「今」ではなく「まだ来ていない未来」に対する心配から生まれます。
「収入が減ったらどうしよう」「親の介護と自分の体調、両方崩れたら…」と考えるのは、脳の「予測と防衛の機能」が働いている証拠です。
ですが実際には、アメリカの研究で9割以上の不安は現実には起きないことが分かっています。起きたとしても「思ったより大丈夫だった」ということが多いのです。
私も健康診断で「ちょっと貧血ですね」と言われたとき、勝手に「入院かも」「仕事どうしよう」と妄想を広げて眠れなかった経験があります。ですが翌週には数値が戻り、取り越し苦労でした。
不安を感じたときは「これは未来を想像しているだけ」と気づいてみましょう。
「脳が勝手に防衛してくれてるんだね」とツッコミを入れるだけでも、不安に飲み込まれにくくなります。
2. 「ルーティンの力」で心を落ち着ける
不安が強くなるのは、多くの場合「生活リズムが乱れているとき」です。
睡眠不足や不規則な生活は、脳の「扁桃体」を過敏にし、不安を感じやすくします。さらに理性的にブレーキをかける「前頭前野」が弱ってしまうため、不安がエスカレートしてしまうのです。
だからこそ、毎日の小さなルーティンが心を守ります。難しいことは不要で、たとえば:
- 朝起きたら白湯を1杯飲む
- 夜寝る前にストレッチを3分だけする
- 週末は好きなスイーツを買う
私自身は「朝に窓を開けて深呼吸」「夜に『今日も無事だった』とつぶやく」という習慣を続けています。ほんの小さな習慣でも、心の杖になってくれるのです。
3. 「不安ノート」で頭を整理する
不安を頭の中に抱え込むと、ますます膨らみます。そこでおすすめなのが「不安ノート」です。
やり方はシンプルです。
- 左に「不安なこと」を書く
- 右に「今できること」をひとつだけ書く
例:
- 不安「老後、年金だけで足りる?」 → 今できること「支出を見直す」
- 不安「孤独を感じる」 → 今できること「月1回は誰かに連絡する」
大切なのは「完璧な解決」を目指さないこと。
「今できること」があるだけで、心は少し安心します。
4. 「今日よかったことを話す」習慣
感謝日記も効果的ですが、さらにおすすめなのは「小さな良かったことを声に出す」ことです。
寝る前に「今日、電車が遅れなかった」「期限ギリギリの豆腐を発見して助かった」など、ちょっとした出来事を話してみましょう。相手がいなければ独り言や録音でも構いません。
心理学では「感情ラベリング」と呼ばれ、言葉にするだけで不安が落ち着く効果があります。特に女性は「話すことで気持ちを整理する」力が強いと言われています。
たとえ小さなことでも言葉にすれば、1日が少し前向きに変わります。
おまけ:ゆるやかなつながりを持つ
50代は人間関係の変化から孤独を感じやすい時期でもあります。
でも「つながる」といっても、無理して友達を増やす必要はありません。
・カフェで「このお菓子おいしいですね」と一言伝える
・SNSで「わかります」と共感コメントする
・LINEで「元気?」と送る
そんな小さな関わりが、心をあたためてくれます。
私自身、海外ひとり旅で出会った同年代の女性たちと今もゆるく連絡を取り合っています。深くなくても「思い出すだけで安心する存在」が心の居場所になります。
まとめ|不安を“味方”にする習慣
ご紹介した習慣は、どれもすぐ始められるシンプルなものです。
- 不安の正体を知る
- ルーティンを整える
- 不安ノートを書く
- 今日のよかったことを話す
- ゆるくつながる
全部やらなくても大丈夫。気になったものをひとつだけ取り入れてみてください。
不安はゼロにはできませんが、習慣と工夫でやさしく付き合えるようになります。
あなたの心が少しでも軽くなることを願っています。
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