こんにちは。公認心理師のかぼです。
この記事を読んでくださっているあなたは、もしかすると、こんな感覚を抱えているかもしれません。
- 自分が何を感じているのか分からない
- 「本当はどうしたいの?」と聞かれても答えられない
- 相手に合わせることが多く、自分の本音が見えない
- どこかで「私はあまり愛されてこなかったのかもしれない」と感じている
もしそうだとしたら、それはとても苦しかったと思います。
でも、まず最初にお伝えしたいのは、あなたが弱いわけでも、おかしいわけでもないということです。
自分の気持ちが分からなくなってしまうのには、ちゃんと理由があります。この記事では、その理由と、少しずつ自分の心を取り戻していくヒントを、やさしくお話ししていきます。
自分の気持ちが分からないのは、異常ではありません
「どう思う?」「何がしたい?」と聞かれると、頭が真っ白になってしまう。つい「どっちでもいいです」「お任せします」と答えてしまう。
でもそれは、何も感じていないからではありません。
自分の気持ちに触れることが、少し怖くなっているのかもしれません。
長い間、自分より相手を優先してきた人ほど、自分の内側を見ることに慣れていません。気持ちがないのではなく、見えにくくなっているだけなのです。
- 感情が分からないのは異常ではありません
- そこには、ちゃんと理由があります
なぜ感情を感じにくくなるのか|感情を抑え込むクセ
一つ目の理由は、感情を抑え込むクセです。
子どもの頃、泣いたら「泣くな」と言われた。怒ったら「わがまま」と否定された。悲しくても受け止めてもらえなかった。そんな経験が重なると、子どもは少しずつ学びます。
「感じると困られる」
「感情を出すと嫌われる」
そして、親に気持ちを受け止めてもらえない経験が続くと、無意識のうちにこう思うようになります。
「感じないほうが安全なんだ」
こうして感情にフタをすることが、生き延びるための方法になっていくのです。
サイレントベイビーの話
赤ちゃんは、最初は泣くことで気持ちを伝えます。でも、泣いても誰も来てくれない状態が続くと、だんだん泣かなくなってしまうことがあります。
これは感情がなくなったわけではありません。「伝えても意味がない」と学習したのです。
大人になってから自分の気持ちが分からなくなる背景にも、これと似たことが起きている場合があります。
だから、感情を抑えることは弱さではありません。それは、あなたがその環境の中で身につけた生き延びるための戦略なのです。
感情を取り戻すための小さな一歩|感情に名前をつける
ここでおすすめしたいのが、感情に名前をつけることです。
夜、寝る前に1〜2分だけ、その日を振り返ってみてください。そして自分にこう問いかけます。
「あのとき、私はどう感じていたんだろう」
「本当は、どうしたかったんだろう」
すぐに答えが出なくても大丈夫です。長い間、自分の気持ちを後回しにしてきた人ほど、最初は分からなくて当然です。
もし少しでも浮かんできたら、こんなふうに名前をつけてみてください。
- 少し不安だったのかもしれない
- ちょっと寂しかったのかな
- 本当は嫌だったのかも
- 疲れていたのかもしれない
正確でなくてもかまいません。大切なのは、自分の心に関心を向けてあげることです。
- 感情は「探す」ものではなく、少しずつ思い出していくもの
- 自分の気持ちに名前をつけるだけで大丈夫
なぜ「本当はどうしたいのか」が分からなくなるのか
二つ目は、自分のニーズが分からなくなることです。
感情は「何を感じているか」、ニーズは「本当はどうしたいのか」という部分です。
子どもの頃、欲しがると否定されたり、我慢すると褒められたり、親の都合を優先するのが当たり前だったりすると、子どもはこう学びます。
「欲しがると迷惑になる」
「我慢しているほうが安全だ」
そして、自分の望みよりも、相手の期待を優先するようになります。その結果、少しずつ「自分は何がしたいのか」が分からなくなってしまうのです。
でも、これも欠陥ではありません。関係を守るために身につけた自然な反応です。
ニーズを取り戻すヒント|子どもの頃の「好き」を思い出す
ニーズを取り戻すためには、子どもの頃の「好き」や「楽しい」を思い出すことが助けになります。
- 得意だったこと
- 夢中になっていた遊び
- 楽しかったこと
- 憧れていたこと
たとえば、絵を描くのが好きだった、本を読むのが好きだった、外で遊ぶのが楽しかった。そんな小さな記憶で十分です。
大切なのは、立派な夢を見つけることではありません。
「これ、ちょっと好きかもしれない」
「これ、少しやってみたいかも」
そんな小さな感覚を思い出していくことが、自分のニーズを取り戻すきっかけになります。
私自身の体験
ここで少しだけ、私自身の話をさせてください。
私も子どもの頃、自分の気持ちを十分に聞いてもらえる環境ではありませんでした。学校に行けなくなった時期もあり、児童相談所に入ったこともあります。
そんな私ですが、幼い頃に絵を褒めてもらったうれしい記憶が、ずっと心に残っていました。そして大人になってから、その記憶がよみがえり、「美術をやりたい」と思ったのです。
そこから美術を学び、心理学とも出会い、今の仕事につながっていきました。
この経験を通して感じているのは、自分の心は見えなくなっても、消えてしまうわけではないということです。
ふとよみがえる記憶や感覚の中に、本当の気持ちが残っていることがあります。
まとめ|あなたの感情もニーズも、なくなったわけではありません
自分の気持ちやニーズが分からなくなるのは、あなたが弱いからではありません。子どもの頃、その環境の中で一生懸命生きてきた結果です。
感情もニーズも、なくなってしまったわけではありません。ただ、少し奥にしまわれているだけです。
だからこそ、焦らなくて大丈夫です。
小さな気持ちに気づくこと。小さな「好き」や「楽しい」を思い出すこと。その積み重ねが、少しずつあなたの心を取り戻していきます。
答えを急がなくて大丈夫です。あなたのペースで、ゆっくり思い出していきましょう。
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