縁を切るべき人・大切にすべき人の見分け方|人間関係に疲れたあなたへ

心が軽くなる心理学

「この人と一緒にいると、なぜかどっと疲れる」
「会ったあと、自己嫌悪や虚しさが残る」
「でも、距離を置くのは冷たい気がして踏み切れない」

人間関係について、こんなふうに悩んでいませんか?

人は、どんな環境で、どんな人と関わるかによって、人生が大きく変わります。

学校、職場、地域、趣味の集まり──
そして、ときには家族の中でさえも。

あなたを取り巻く環境が、あなたを成長させることもあれば、
逆に、気づかないうちに心をすり減らしてしまうこともあります。

こんにちは。公認心理師のかぼです。

この記事では、「縁を切るべき人」と「大切にすべき人」を、
感情論ではなく、心理学の視点から整理し、
後悔しない人間関係の選び方をお伝えします。

人は「自分が思っている以上に」環境の影響を受けている

私自身、中学時代に不登校を経験し、
児童相談所で生活していた時期があります。

当時の私は、
「自分が弱いから学校に行けない」
「もっと頑張れれば、普通になれる」
そう思い続けていました。

しかし、その後、環境が変わり、
教員となり、現在は公認心理師として活動する中で、
はっきりと分かったことがあります。

それは──


人は、自分が先に変わったから環境が変わるのではなく、
環境が変わったことで、少しずつ変われる

という事実です。

今振り返ると、
私が立ち直れた大きな理由は「意志の強さ」ではありません。


・責められ続ける環境から離れたこと
・安心して存在していい場所に移れたこと

その「環境の変化」が、私の心を回復させてくれました。

心理学が示す「環境の力」

実は、人は自分で思っている以上に、周囲の人の影響を受けています。

オックスフォード大学の研究では、
たとえ運動習慣がまったくなかった人でも、
運動好きの友人が多いコミュニティに入ると、
半年以内に自然と運動を始める確率が大きく高まることが分かっています。

逆に、お酒をよく飲む人たちと一緒に過ごしていると、
自分の飲酒量も、意識しないまま増えていく傾向があります。

つまり、私たちは──


「何を選ぶか」よりも先に、
「誰といるか」によって行動を選ばされている

とも言えるのです。

人間関係は、心だけでなく体にも影響する

ここで、私の古くからの友人の話をさせてください。

彼女は地元で長く働いていましたが、
その職場は人間関係が固定化され、
毎日のように愚痴や不満が飛び交っていました。

最初は「仕方ない」と受け流していた彼女も、
次第に疲れ果て、家に帰っても何もする気が起きなくなっていきました。

さらに、心だけでなく体にも変化が現れました。

肩から肘、手首にかけてのしびれ。
病院に行っても、はっきりした原因は分からない。

「このままずっと治らないのかもしれない」
そんな不安を抱えていたそうです。

ところが、思い切って転職し、
前向きな人が多い職場に入った途端──

周囲の空気に引っ張られるように、
新しい資格取得に挑戦し始めました。

生活全体が明るくなり、
表情まで変わっていった彼女。

そして驚いたことに、
肩から手首にかけてのしびれも、
いつの間にか自然に消えていたのです。

人間関係の空気感は、
思考・行動・感情、そして健康にまで影響します。

縁を切るべき人・大切にすべき人を見極めるポイント①

不快な出来事に直面したときの反応を見る

日常生活では、思い通りにならないことが必ず起こります。

料理が遅れる。
予定が狂う。
誰かがミスをする。

そんな「小さな不快」の場面こそ、
その人の本当の姿が現れます。

距離を置いたほうがいいのは、
自分の思い通りにならないと、すぐ感情を爆発させる人です。

レストランで店員さんを怒鳴りつける。
職場で部下のミスを皆の前で責める。

心理学では、これは
「情動制御(Emotion Regulation)」が低い状態
と呼ばれます。

スタンフォード大学の研究でも、
感情をコントロールできない人は、
対人関係の満足度や信頼が低くなりやすいことが分かっています。

一方、大切にすべき人は、
怒りを感じていても、相手を傷つけない伝え方ができます。

これは、感情知能(EQ)が高い状態です。

感情をコントロールできる人と一緒にいることの恩恵

では、感情を冷静に扱える人と関わることで、
私たちは具体的にどんな恩恵を受けられるのでしょうか。

心理学の研究や臨床現場から分かっているのは、
人間関係の質は、人生の質そのものを左右する
という事実です。

まず一つ目は、精神的な安定です。

感情をぶつけてこない人、
不機嫌を周囲にまき散らさない人と一緒にいると、
私たちの心は常に「身構えなくていい」状態でいられます。

これは、ストレスホルモンの分泌を抑え、
不安や緊張を慢性化させにくくします。

二つ目は、チャンスや情報が集まりやすくなることです。

人は、安心できる相手にこそ、
「実はね…」と大切な話をします。

信頼関係のある人の周りには、
自然と情報や機会が集まりやすくなるのです。

三つ目は、困ったときに助けを得やすいこと。

感情をコントロールできる人は、
普段から周囲との摩擦が少ないため、
いざという時に「助けたい」と思われやすい傾向があります。

そして何より大きいのは、
人生全体の満足度が高くなるという点です。

ハーバード大学の75年以上にわたる成人発達研究でも、
幸福度や健康、長寿に最も影響していたのは、
お金や地位ではなく「人間関係の質」でした。

冷静に感情を扱える人との関係は、
安心感と同時に、長期的な幸福をもたらしてくれるのです。

縁を切るべき人・大切にすべき人を見極めるポイント②

相手が「好きなもの」を話したときの反応を見る

会話の中で、相手が自分の好きなこと、
大切にしているものを語る瞬間があります。

そのときの反応には、
その人の価値観の広さや人間性がはっきりと表れます。

距離を置いたほうがいい人は、
自分が好まないものを、すぐに否定する人です。

「そんな趣味、意味ある?」
「え、その歌手が好きなの?信じられない」

たとえ冗談のつもりでも、
こうした言葉は相手の心を確実に傷つけます。

心理学的には、
このような態度は自己肯定感の低さと関係があるとされています。

カリフォルニア大学の研究では、
自己肯定感が低い人ほど、
自分と違う価値観を受け入れるのが苦手だという結果が出ています。

つまり、自分と違うものを否定することで、
「自分は間違っていない」と安心しようとしているのです。

一方で、大切にすべき人は違います。

自分は興味がなくても、
相手の世界を尊重する姿勢を持っています。

「へぇ、そういうところが面白いんだね」
「それ、今度もう少し教えてくれる?」

こうした反応は、
心理学者カール・ロジャーズが提唱した
「無条件の肯定的関心」に近い態度です。

人は、自分を否定されないと分かった瞬間、
心を開きやすくなります。

逆に、何を話しても否定される関係では、
次第に本音を語らなくなり、
関係は表面的なものになってしまいます。

価値観の違いに出会ったときこそ、
その人の器の大きさが見えるのです。

縁を切るべき人・大切にすべき人を見極めるポイント③

人数の多い場でのふるまいを見る

職場、地域の集まり、趣味のサークルなど、
人が多く集まる場では、その人の本質がより明確に表れます。

距離を置いたほうがいいのは、
特定の人だけを仲間にし、
ほかの人を排除しようとするタイプです。

会議やイベントで、
いつも同じ人としか話さない。
それ以外の人を、まるで存在しないかのように扱う。

こうした雰囲気が続くと、
「ここでは意見を言わないほうがいい」
と感じる人が増えていきます。

結果として、その集まりは閉鎖的になり、
活気や新しいアイデアも生まれにくくなります。

一方で、大切にすべき人は、
意見が違う人も排除せず、協力しようとします。

「それも面白い視点ですね」
「まずはやってみましょう」

こうした一言があるだけで、
その場には安心感が生まれます。

心理的安全性のある環境では、
人は萎縮せず、自分の力を発揮しやすくなります。

そして、このように人を受け入れられる人は、
長い目で見て、大きな幸せや成功を手にすることが多いのです。

なぜなら──

周囲から信頼され、自然と人脈が広がる。
困ったときには助けや応援を得やすい。
チームや組織に欠かせない存在になる。

何より、日常の中に
安心感と充実感のある人間関係を築けるからです。

まとめ|人間関係を選ぶことは、未来の自分を選ぶこと

ここまで、「縁を切るべき人」と「大切にすべき人」を
見分ける3つのポイントをお伝えしてきました。

1つ目は、不快な出来事に直面したときの反応。
2つ目は、好きなものを話したときの態度。
3つ目は、人数の多い場でのふるまい。

私たちの時間も、エネルギーも、限られています。

だからこそ、関わる人を意識的に選び、
自分が安心できる環境を整えることは、
決して冷たいことではありません。

もし今の人間関係に、
「何か違う」「しんどい」という感覚があるなら、
それはあなたの心が送っている大切なサインです。

どうか、あなたの成長を応援してくれる人、
心を軽くしてくれる人と過ごす時間を増やしてください。

そうすれば、あなたの人生は、
少しずつ、しかし確実に良い方向へ動き始めます。

YouTubeで、声でも詳しく解説しています

この記事の内容は、YouTube動画でも、
より丁寧に、感情のニュアンスも含めてお話ししています。

文章よりも、声で聴いたほうが心に入りやすい方も、
きっといらっしゃると思います。

ぜひ、下の動画もあわせてご覧ください。

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