「心配で眠れない」「考えても仕方がないのに、頭から離れない」──そんなふうに、不安に振り回されてしまうことはありませんか?
心配性の状態が続くと、眠れなくなったり、疲れやすくなったり、集中力が下がったりと、日常生活にじわじわ影響してきます。「心配ばかりしてしまって、結局何も楽しめなかった」そんな経験をした方も多いでしょう。
ですが心配性は「性格だから仕方がない」とあきらめる必要はありません。心のしくみを理解することで、誰でも少しずつラクになっていけるのです。
心配性の本当の原因とは?
心配性の根っこには、「スプラリミナル知覚」という現象があります。これは、私たちが意識していないのに情報が心に届いているというものです。
テレビのニュース、SNSの投稿、通勤電車の広告、友人との会話──こうした情報が無意識に心に入ってきます。そして恐ろしいことに、ネガティブな情報ほど強く残るのです。意識では「忘れた」と思っていても、無意識には蓄積され、それが“心の背景音”のように不安となってにじみ出してきます。
なぜ日本人に心配性が多いのか
日本人は特に心配性になりやすいと言われています。理由のひとつは文化的背景です。小さいころから「先のことを考えて備えなさい」「油断してはいけない」と教えられてきた人は多いのではないでしょうか。
また研究によると、日本人の約8割は「不安を感じやすい遺伝子型」を持っているともいわれます。ただし、それ以上に大きいのは「生活環境」と「情報の入り方」です。テレビでは事件や事故が連日報じられ、SNSでは誹謗中傷があふれています。そうした環境の中で、無意識が常に“危険信号”を鳴らしてしまうのです。
心配性のメカニズム
心をコップに例えて考えてみましょう。表層には意識、深層には無意識があります。日々少しずつネガティブな情報が無意識に溜まっていくと、やがてコップがいっぱいになり、ある日些細な出来事をきっかけに不安がドバっとあふれ出します。
大事なのは、その出来事自体が悪いのではなく「心のコップがいっぱいになっただけ」と理解することです。この視点を持つだけで、自分を責めずに「心が疲れているサイン」と捉えられるようになります。
心配性を改善する3つの方法
では、どうすればコップにたまったネガティブを減らせるのでしょうか?ここでは、日常でできる3つの習慣をご紹介します。
1. テレビの見方を変える
ニュースやワイドショーは心に大きな影響を与えます。暗い話題ばかりを見続けると、世界は不安だらけだと感じてしまいます。私は「これ以上は見たくない」と思ったらすぐにチャンネルを変えるようにしました。代わりに自然番組やお笑いを見て、心をほぐす時間を持つようにしたのです。
2. SNSやネットの情報を取捨選択する
SNSは便利ですが、不安を広げる原因にもなります。私はフォローを整理し、「見て心が温かくなる投稿」だけを残しました。自然の写真や動物の動画、前向きな言葉など、心にやさしい情報だけを選んで見ることはとても効果的です。
3. 人間関係を整える
実は最も影響を与えるのが身近な人の言葉です。悪口や否定的な会話が多い人と一緒にいると、それだけで心が疲れてしまいます。私は少し距離を置いたり、会話の内容を変えたりして、自分を守るようにしました。人間関係を見直すことは、自分を大切にする大事な一歩です。
まとめ
心配性は「生まれつきの性格」ではなく、「心に入ってきた情報の積み重ね」によって強まるものです。だからこそ、心配性の自分を責める必要はありません。
「朝食のお味噌汁がおいしかった」「部屋の観葉植物が大きくなった」「コンビニの店員さんの笑顔に癒された」──そんな小さなポジティブを意識して集めていきましょう。それだけで心のコップは少しずつ透明になっていきます。
不安を感じたときこそ、やさしい言葉や音楽、映像で心を満たしてくださいね。
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