自分を責める癖があると、失敗の重みが何倍にも感じられ、心のエネルギーをどんどん消耗してしまいます。仕事や人間関係、自己評価にも影響し、挑戦する意欲さえ奪われてしまうこともあります。
でも、安心してください。自分を責める癖は「性格」ではなく、「習慣」です。心理学を使えば、少しずつやめていくことができます。
① 事実と解釈を分ける
ミスをしたとき、私たちは「事実」よりも「解釈」で苦しみます。
たとえば、メールに誤字があったとき、事実は「誤字があった」だけ。でも心の中では「自分は社会人失格だ」「相手に嫌われたかも」と、ネガティブな物語を作ってしまいます。
心理学では、これを「認知のゆがみ」と呼びます。まずは紙に、事実と解釈を分けて書いてみましょう。
- 事実:メールに誤字があった
- 解釈:自分はダメな人間だと思われた
こうして見比べるだけで、「事実」と「自分の思い込み」が分かれて見えます。事実は変えられなくても、解釈は変えることができます。これが、自分を責めすぎない第一歩です。
② 親しい人に話す「感情の換気」
自分を責めているとき、頭の中では同じ思考がぐるぐる回っています。これは、窓を閉め切った部屋のようなもの。換気しないと、空気が淀んで息苦しくなってしまいます。
そこで大切なのが「感情の換気」。信頼できる人に「事実」と「今の気持ち」を話すことです。
「昨日の会議でうまく話せなくて落ち込んでる」──それだけで、心の中の空気が入れ替わります。人に話すのが難しいときは、ノートやスマホに書き出すのもおすすめです。
誰かに見せる必要はありません。文字にして外に出すだけで、頭の中のぐるぐるが静まり、少し客観的に見られるようになります。
③ 「次の一歩」に意識を向ける
自分を責めているとき、意識は過去に向かっています。「どうしてあんなことをしたんだろう」と思い返しても、時間は戻りません。
心理学のACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)では、「今、この瞬間に戻る」ことを大切にします。過去は変えられませんが、「今から何をするか」は選べます。
たとえば、データを消してしまったなら「バックアップを探す」「上司に相談する」「次回から自動保存にする」。
友人にきつい言葉を言ってしまったなら「すぐに謝る」「次に会った時にフォローする」。
大切なのは「今できる小さな一歩」に意識を向けることです。1つ行動するたびに、過去への後悔よりも未来への希望が少しずつ大きくなります。
まとめ:責めるより、進むエネルギーを
今日は「自分を責める癖をやめる3つの方法」を紹介しました。
- 事実と解釈を分ける
- 感情の換気をする
- 次の一歩に意識を向ける
自分を責める癖は、反省ではありません。心を削るだけの「自分いじめ」です。責める時間を「前に進む時間」に変えていくことで、自己肯定感が自然に回復し、周りとの関係も優しく穏やかになります。
完璧じゃなくても大丈夫。あなたは何度も立ち上がってきた、その強さをすでに持っています。どうか、自分を責める代わりに、次の一歩にエネルギーを使ってください。
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